さて、太鼓を打ち抜く瞬間の重心移動は下に向かうのか、それとも上に向かうのか。
今日そんな話を講師とした。
講師は、重心が上に向かうと、腕を振り降ろす速さと相殺されるので重心は下に向かうのが正解ではないかと。
公認指導員の講習では打つ瞬間に重心をふっと上げる、と習った。
床を踏む力を打力に変えてやる方法。
考えてみるに、これはどちらも正解なのではないだろうか。
腕の使い方、特にどこを支点とするかで両方成立するように思う。
重心を上げるのは古武道の体の使い方に共通するものであるかも知れない。
剣道で面を打ちに行く時の動き、腕の使い方に通ずるのかも。
肘が支点になって手首をテコの原理で繰り出すような動き。
ことばで言い表すのはとても難しいが、この動きをスローモーションでやると分かりやすいかも知れないな。
講師とこういう話をしている最中、恐らく他の人たちは何を問題にしているのかさっぱりわからなかったのではないだろうか。
経験から来る体の動き、力の流れの考察は時間をかけてそれを体得する者にしかわからない話題だと思う。
ましてや言葉だけではわかりようのない世界なのではないかと思う。
時間をかけるという事は無駄なようでもとても重要な事のようであります。
あたかも職人が10年でやっと一人前、という世界と同類のように思います。