HAPPYの非日常茶飯事な日々

日々の川柳や和太鼓などについて語ってまいります。

太鼓:三宅太鼓教室発表会2013

今年も自分たちの教室はトップバッターだったので、

演奏を済ませた後は出演まで待たされる事がない純粋な観客に。

全体を通してみると出演総数24団体のうち20団体が三宅太鼓、半日三宅にどっぷりの時間です。

三宅太鼓はとってもシンプルな太鼓でフレーズは三つのみ、それに木遣りと神楽、

呼び出し太鼓が加味される程度、ゆえに各教室は構成・演出に創意工夫を凝らしますが

内容はやはり似たり寄ったりになる事は否めない事実。

ピアノの発表会で皆が皆同じ曲を弾くのと大差はないかも知れません。


今回は祭りをテーマにしたところがいくつかありました。

元々三宅太鼓は祭りで叩かれてた太鼓で、三宅島神着神輿太鼓(みやけじまかみつきみこしたいこ)

というのが今使っている正式名称、三宅島の神着という地域の太鼓のようです。

祭りの太鼓の原点に返ろう、というテーマは理解しやすい。

また、ひたすら打ち込む、というところもありました。人数の多い教室は舞台の広さから言っても

演出はできないため、三宅太鼓の本来の打ち込む姿を再現、というのもわかりやすい。

もう一つは今回我々の教室もチャレンジしましたが、ストップモーションや切り返し、

音の受け渡しなどの演出、見た目の変化をつけるというもの。


いずれにしても音がきちんと出ている打ち手がいれば小細工を労す必要はない、と感じました。

それと今回見に来ていただいた人の感想、打ち手の気持ちは観ている人に伝わって来るもの、という

一番大切なものを舞台上に持って上がっているかどうか、ではないでしょうか。

小学生の子供たちも三宅を打っていましたが、ひたすら打ち込むという純粋な気持ちがこちらに

伝わって来て感動ものでした。

発表会は各教室の団体戦でもあるので、各人が協調しあいながら創り上げようという気持ちが

観客にも伝わってきます。

普段の稽古は発表会のような構成の練習はしないため、臨機応変に対応する、ということには

弱いかも知れません。

自分たちのサークルは演奏会が多いため、しくじってもそれに対応する方法も経験則で

皆に培われてきているように思います。

今回の発表会ではある教室が、先頭の打ち手と二番手三番手とまるまる1フレーズずれてしまい、

輪唱状態になってしまいました。(実はこれが意図的な演出だったら面白い効果でしたが)

自分たちのサークルでは何かあったら先頭に合わせる、という事になっているので

こういう事態が生じてもなんとか収まります。

また失敗してもその場でおくびにも出さず、何食わぬ顔で演奏を続ける、というのも決めています。

よっぽど目の肥えた観客でなければ失敗は気付かれないもの、顔に出すとそれでバレてしまいます。

こういうのも日頃から失敗の練習もしておくのが有効のようです(笑)


今回の発表会ではゲストに津軽三味線の小山竜昇氏、元鼓童の吉井盛悟氏が招かれていました。

吉井氏は胡弓、篠笛、奥さんとの八丈太鼓を演奏、繊細な胡弓の音には初めて接し新鮮でした。

八丈太鼓もいつも習っているものとは違う趣があり、勉強になりました。

最後に三宅島芸能同志会の演奏、圧巻でした。

音の質がまったく違い、その圧倒的なパフォーマンスに皆が酔いしれました。

同志会は親子4人の太鼓ですがそれぞれの打ち方、スタイルにも微妙な違いがありそれを観るのも

楽しみの一つでした。

教室の皆も少しでも先生たちに近づきたいと羨望の眼で観ていたに違いありません。