商いと 美観の狭間の 憎らしさ
目立たぬよう 派手な素振りの 難しさ
街中に建物を建てる場合や改装する場合、まちづくり条例という法律が適用される地域があります。
特に風致地区、歴史的建造物のある地区、国立公園やその近辺等、
美観をそこねる建築物が建たないよう、色や高さ、看板の有無、サイズまで細かく決められています。
有名な話ではコーラやハンバーガーのコーポレートカラーの赤が使用できず、茶色になったり。
彩度の高い色(赤や黄色など原色に近い鮮やかな色)はたいがい使用禁止、
企業としては目立つ色を使っているのですが、目立っちゃいかん、という事ですね。
上記川柳の上と下の句の違いのような感じです。
また店の看板の面積も決められていて、大きなものは出せません。
これも目についてはいかん!という事です。
確かにヨーロッパ等ではその規制基準が厳しく、殆どの街や郊外は落ち着いた環境を保っています。
これらは住民の意識が高く、目立たなくとも商いにあまり影響しないという文化風土があるのやも知れません。
日本の大都会、渋谷や新宿、池袋等を歩くと、そこは看板のオンパレード、
香港ほどではないにしろ街は看板で埋め尽くされています。
でもこの光景、ヨーロッパの人から見ると、いかにも日本的でパワフルに見えるそうです。
街も見方によっては楽しみようがいくらでもある、という事なのでしょう。
話がそれましたが、商売をやっている側としては目立たないのはとても痛い。
でも街全体の美観はくずしてはならない、という矛盾に悩むことになるわけです。
我々デザイナーとしてはどちらの言い分もわかるので、困ったことになるんですね、これが。