HAPPYの非日常茶飯事な日々

日々の川柳や和太鼓などについて語ってまいります。

松山の旅10番外編街の景観について

松山の街はきれいに整備されていると思います。
残念に思うのは景観の持つ力をあまり考慮せず
ややもすると無秩序に開発されてしまう観光地が多いという事。
道後温泉郷、国の重要文化財の温泉館の和風木造建築が点で存在し、
周囲との調和がうまくはかれているとは言い難いのかも知れません。
なぜかスペイン風のホテルがあったり、そっけない鉄筋コンクリートの四角い建物が
見えていたりとか。
例えば小江戸と呼ばれる川越の町は、景観規制によりビルでも
瓦屋根の意匠になっていて、町の景色全体がとても落ち着いている。
 
道後も景観にある程度の規制をかけ、日本の古い町並みや、
せめて明治風のつくりにすればぐっと魅力が増すように思えるのだが。
 
イメージ 1
ちなみに街の景観を修正してみた。
写真右上は写真を撮る浴衣姿の観光客と普通の姿の観光客の違い。
真ん中は石段と湯神社の景観。
右は松山城の城山裾野の高校。
下左は現況、右は加工してみたもの。
 
松山ではあちこちで町案内人の矢がすりに袴姿のマドンナに会う事ができるが
それ以外でもボランティアの人たちが大勢案内を引き受けている。
しかしその多くは緑色の法被姿であり、町の景観に寄与しているとは言えないのは残念。
 
街の景観を決めるのに、建物以外に人の姿がある。
浴衣姿の観光客はジーンズ姿で街をぶらつく観光客より風情があるもの。
日本の風景の作り方、借景の手法は景観にとても重要であるが
このホテルは借景になりえていない。
 
聞くところによると温泉館に通じる土産物屋が軒を連ねるアーケードはハイカラ通りというそうな。
ここはかつては駅から温泉館に通じる旅館街だったそうだが、
車時代になり駐車場のない旅館が土産物屋に代わっていったそうだ。
イカラ通りという名称ならいっそのこと明らかに明治風の機軸に統一するとか、
地域をひっくるめての街づくりを行わないと魅力が出てこない。
一軒だけの力ではどうにもならないのが街づくり。
 
温泉観光地の質も以前と比べたら変化し、団体客が大挙してやってくるという時代ではない。
点を移動する旅から線や面そのもを楽しむ事ができる街づくりが必要だろう。
 
かつて津山のスーパーのデザインコンペがあった時、津山の木をテーマにした和風のデザインを提案したが、
地元の人たちは洋風のしゃれた都会的なものを好むという事で不採用になった事がある。
 
近代的先進的デザインを好む地元と、歴史ある観光地を期待して訪れる観光客のニーズを合致させるのは難しいテーマであるが、しかるべき街の個性をいかし、創り出す模索は行政を巻き込んで徹底的に行う必要があるように思う。
観光地が元気でないと日本は元気でいられないと思う。