HAPPYの非日常茶飯事な日々

日々の川柳や和太鼓などについて語ってまいります。

輪廻転生・因果応報という科学的な仏教思想

仏教でよく言われる因果応報(いんがおうほう)、輪廻転生(りんねてんしょう)、について。

輪廻は古代インドのバラモン教にその原思想があるとか。

輪廻は文字通り車輪が回るという事で際限なくぐるぐる回るという意味ですが、古代バラモン教には五火二道という思想があり1.死者の魂は月にとどまり、2.それが雨となって地上に降り注ぎ、3.穀物として男の体内に入り、4.性交の際精子を通じて女の胎内に入り、5.再びこの世に生まれ来る、これを繰り返す、というもの。

この5つの過程を五火といい、二道はこれを繰り返す道と繰り返さない道の二つがあるという思想です。この思想は永遠に苦しみを繰り返す輪廻転生の道と繰り返しから解放される=解脱の道という後の仏教思想に影響を与えているものと思われます。

なぜ火なの?という疑問が頭をもたげますが、このバラモン教、実は火を祭礼とする西方のアーリア人がインドに侵入して現地の神々と融合してできたものなんだとか。いわゆる拝火教ゾロアスター教が元になっているので火というオチがつきます。

このゾロアスター教善悪二元論が西方に伝わり、ユダヤ教にも影響を及ぼしたとか。神と悪魔、正義と邪悪というキリスト教的世界観のおおもとになっている事を考えるとなかなか面白いですね。

ちなみにゾロアスターはドイツ語でツァラツストラ、ニーチェツァラツストラはかく語りき、のあれです。

 

仏教においてはこの輪廻転生が六道において繰り返されるという考えに徐々に集約されたものと思われます。

その六道とは天界、人間界、阿修羅界、餓鬼界、畜生界、地獄界の六つの世界に永遠に生まれ変わるというもの。前世は〇〇だったとかまことしやかに語られたりしますが、要はこの輪廻転生思想が元になっています。

この輪廻転生という永久運動から逃れる方法として解脱する、というのが後世まとめられた仏教思想の経典に書かれています。

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六地蔵はこの六道それぞれにおいて救済を施す地蔵尊

六道は生前の行いによって生まれる界が決められるという。

悪行を行うことで(因=原因)地獄に堕ちる(果=結果)という物事の結果には必ずそうなる原因があるんだという考え方はまさに科学的とされていて、それを喝破した古代インド人は偉いなあと。

釈迦はその因果応報、輪廻転生の思想を踏襲して、正しい行いをし、正しい考えを持てと人々に説いたようです。

人間界にいる今、善行を積まないと地獄界や畜生界に生まれてしまうんだぞよ、と子供を嚇すように大人を嚇すのが後世の分別臭い仏法のような気もいたしておりますが。

 

釈迦の生きた時代は強固な身分制度を元にしたバラモン教の衰退期にあたり、新しい時代の台頭期、釈迦もバラモン教の在り方に疑問を感じ、そこからの脱却を図ったものと思われます。

これも因果、バラモン教の腐敗(因)、仏教の台頭(果)として説明がつきますね。