昨日、高校の太鼓の授業に向かっている時、地下鉄の車内で呼び止められました。
誰かと思ったらまだ勤めていた頃、一緒によく仕事をした建設会社の社長さん、
6〜7年ぶりでしょうか、いやあ懐かしい。
私は仕事を辞めて、業界からは足も手も洗い、顔も洗って出直したかも知れません。
ずっと商業施設の企画やデザインを主にやっていましたが、ストレスも相当なものでした。
当然ですが、納期・予算のギリギリの攻防(対業者、対顧客、対社内の三重苦?!)、
社内、社外の人間関係、また法規的な事など、社会生活を送るのはタイヘンですよね。
今までの業界と関係する仕事をやろうと思えばできるんでしょうし、
その方が経済的にも恵まれると思いますが、それは考えちゃいます。
定年退職をした人が、今までの社会とは無縁になって廃人同様(?)になる事が取り沙汰されています。
社会的地位や居場所がなくなり、社会とも疎遠になると、無価値人間の烙印を自ら押すことにも。
私の場合はあのストレス社会に戻る気持ちは毛頭なく、質素な隠居生活を楽しむ事を選択しました。
今では幸い趣味の太鼓が世の中にも少し認められたり、大きなストレスもなく過ごせています。
まあ、人が二人以上集まるとそこに社会が生まれ、何かとストレスは生じますが、
金銭的利害が殆どないため気楽といえば気楽です。
久しぶりに再会した社長さんは、隠居とはもったいない、といってくれましたが、
あの冷や汗と脂汗の世界に戻るつもりはありません。
まあ、それでもデザイナーという立場で、クライアントにも渡り合えたのはまだ救われました。
今話題になっている某大学のアメフト部の元監督のように、
「俺のいう事が聞けんのか」みたいな天皇系の経営者も少なくありませんでしたが、
ほとんどはこちらの言い分を通しました。
ワンマン社長の理不尽さには相当悩まされました。
今回再会した建設会社の社長は未だにそのご苦労を背負っていると思われますが、
3駅ほどの会話の後、笑顔で別れました。