太鼓を初めて見聞きする人にとって、曲はどういう伝わりかたをしているのでしょう?
太鼓はメロディがない分、そのリズムで構成されています。
昨今は太鼓の音色の違いを際立たせる演奏も見受けられますが、
従来の長胴太鼓は音程の調整ができず、太鼓そのものの固有の音でよしとしてきました。
1台の太鼓であっても長年打ち込むほどに音色や音程が変わっていきます。
締め太鼓は締め具合で音階を作り出すことが可能で、4種類くらいの音程で曲を構成する場合が多い。
以前から太鼓のCDはつまらない、と感じていましたが、
打っている姿が見えない、見た目のパフォーマンスが届かないので音だけの世界になります。
その演奏レンジが狭い太鼓で、音だけで音楽を構成するのはとっても難しいと思います。
打っている方は曲想を変えているつもりでも、聞いている方はどれも同じに聞こえてしまうかも。
太鼓の曲はその違いが際立つものの方が、聞いている人たちにも楽しんでもらえるのでは、
と思う次第です。
かつて、クラッシック音楽やジャズがどれも同じように聞こえていた頃がありました。
その後、聞き込んでいくにつれ、シンフォニーが曲によって違うこと、ジャズも然り、
耳が肥えていくという事なのか、それぞれの曲を楽しむ事ができるようになりました。
これはおそらく太鼓にも当てはまるのではないのかと。
太鼓に親しんでいる人には曲の違いはわかるにしても、太鼓観客初心者にとっては
どれもこれも同じ、そのうち退屈してしまうのでは・・・?と。
なんでこんな事考えるようになったかというと、障害者施設訪問を控え、
お客さんである彼ら彼女らに、太鼓がどう映るのか、何が伝えられるのか、を考えての事です。
何を一番楽しんでもらえるか、悩みは尽きません。
(やってみなきゃ分からない、やってみてわかる、やってみても分からないのどれかなんでしょう)