HAPPYの非日常茶飯事な日々

日々の川柳や和太鼓などについて語ってまいります。

はるかカナダ:ログハウスメーカー

現役で仕事をしていた時、1990年の大阪花博のレストラン建築の仕事がありました。

花の万博(国際花と緑の博覧会)会場に6ヶ月間だけ営業するレストランの企画として

ログハウスを使う提案をし、採用されました。

ログハウスは本格的建築物ではありますが、土台以外はばらして移設が可能、

会期が終わったら使用済みのログハウスを転売できるというアイディアが評価されました。

日本でログハウスを扱うところは数社あり、角ログ(製材した四角い材料で組むもの)、

丸ログ(いかにもログハウスという丸太のもの)、国産等々様々なものがありました。

当時はインターネットも本格的に普及していなかったため、あちこち手を尽くして

ログハウスの本場、カナディアンログハウスメーカーを探し当て、

現地視察と契約のためバンクーバーからサスカチュアンに飛びました。

実際は角ログの方が扱いやすいのですが、30cmを超える丸太を使う本格派ログハウスは

やはり本場のものが迫力満点、テーマの花と緑にもぴったりです。

ログハウスはオーダーメイド、100坪程のレストランを設計し、

クライアントとも何度も打ち合わせを行いました。

問題だったのはレストランである以上火を使う厨房があり、

厨房をログハウスで組み上げるのが難しいこと、

それだったら厨房部だけは既存工法で建て、会期が終わったら解体廃棄するという事に。

もう一つの制約はログ(丸太)で組む居室の大きさが30㎡以内、部屋の長さは6m以内、

建築基準法で決まっており大きな空間を作る事ができない事。

このレストランのテーマはVIPレストランということもあり、個室対応する事でこれを解決、

建築構造とレストラン使用目的が一致した希有な例かも知れません。

カナダから直輸入のログハウス、オープンしてから木の内部から虫がわいたりという

思わぬハプニングはありましたが、本場のログハウスは概ね好評でした。

レストラン事業としては半年の営業で投資回収ができたかどうかは不明ですが

会期終了迄に転売先も決まり、成功裏に終わったと思われます。

カナダでもいろいろありましたがそれはまた後ほど。