HAPPYの非日常茶飯事な日々

日々の川柳や和太鼓などについて語ってまいります。

太鼓:八丈考129伝統と創作の狭間で

この3月に日本太鼓協会公認指導員のレベルアップ研修会なるものが開催されます。

今や公認指導員は80名近く、C級、B級、A級の資格がありますがA級はまだ誰もいません。

今年からこの研修を受けないと免許の更新ができないという事になりました。

運転免許の更新みたいなものですね。

実際、指導員の中にもペーパードライバーのような人もおり、レベルは均一ではありません。

私自身はB級ですが、それにはあまりこだわってはいません。

そんな研修の今回の課題曲は「荒波」という八丈太鼓をベースにした創作曲。

祭り工房の北原永氏の作曲で、歌も入っています。

八丈太鼓は東京から約300km離れた八丈島に伝わる太鼓で、400年ほどの歴史があるとか。

実は東京都の無形民族文化財に指定されているのは太鼓そのものではなく、その歌の部分だけ。

私が習っていた八丈出身の太鼓の先生に聞いた話では、八丈太鼓には決まった曲がないので

伝統になり得ないのだそうです。

下拍子は決まっているものの、基本はすべてアドリブで定型がなく、受け継ぐものがないので、

ほんとの無形になっちゃうという事?!

これに対し、挿入歌は節回し、台詞が決まっているのでそれを受け継ぐ事ができ、無形文化財に。

そんな自由な八丈太鼓、定型の曲をあてはめるというのはどうなんでしょうか。

組み太鼓として複数人数で舞台で演奏する場合は曲がないと不可能なので

定型の曲は必要となってきます。

でも、それを八丈太鼓と紹介するのはたいへんな誤解を招く事になりかねない。

三宅太鼓や屋台囃子も同じ事が言えます。

公認指導員として、その手の太鼓の情報はできうる限り正しいものを伝えたいと思っています。