HAPPYの非日常茶飯事な日々

日々の川柳や和太鼓などについて語ってまいります。

太鼓:一行三昧ライブに興奮

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久々の太鼓ライブに行って来ました。

助六出身の小林太郎氏、御諏訪の山本麻琴氏のガチンコライブ、ゲストにサンフランシスコ太鼓道場、

龍笛のあかる潤さんを迎えての二部構成。

場所は台東区生涯教育センターミレニアムホール。

平日(月曜)の18:45開演はさすがに来場者が多いとは言えない状況、

しかしそれが惜しまれる出来でした。

幕開けは御諏訪太鼓の神楽をベースにした創作曲、我々御諏訪を習っている者には勇み駒という曲で

慣れ親しんでいるフレーズが基本になっていました。

伏せ打ちでもけっこう振りを入れて打てるんだなあといういいヒントをもらいました。

サンフランシスコ太鼓道場は1943年生まれの田中誠一氏率いる北米の太鼓、

アメリカ、カナダに和太鼓が広まった原点の太鼓です。

打ち手は青い目のアメリカ人が殆ど、これが迫力満点でした。

御年71歳の田中氏は現役バリバリ、大太鼓も打ちまくっておりました。

麻琴氏、太郎氏、他三人での故小口大八氏の阿修羅も凄かった・・・。

サンフランシスコ太鼓道場の後陣乗太鼓、後陣乗太鼓は門外不出と聞いているので

どういう経緯でこの太鼓を打っているのかはよくわかりません。

私は本物を観た事が無いのでよくわかりませんが、

その昔、戦の時に村人が鬼に扮して太鼓を打ち鳴らし

敵を追い払ったという太鼓と聞いています。

今回の演奏は残念ながらその迫力が伝わって来ません。

本物は鬼の面をかぶって打っているのですが、

その鬼の面も無く、しぐさがきれい過ぎて後陣乗太鼓の根源的なスピリットが感じられませんでした。


龍笛の曲にあわせて麻琴氏の大太鼓の即興、大太鼓は背を向けているいるので打ち終わってこちらを

向いて初めて、今打っていたのは麻琴氏だったのかあ、と。


演目を紹介したプログラムはなく、玄人好みの構成?!


雅楽龍笛もこういう風に吹ける、吹いてもええんやというヒントになりました。

私の龍笛はここのところ眠りがちなのでちょっと起きてもらってもよいのかなと。


最後の大太鼓の競演はもう言葉がないくらいのド迫力、始めはサンフランシスコ太鼓道場の女性の

打ち手だったのが男性の打ち手に代わった瞬間、振動がきましたね、椅子のところまで。

あああ、太鼓はこれだよ、これでなくっちゃ、という全身を包む感動。

太鼓は横向きに置いて二人で両面を打つスタイルなので表情が見えます。

今回は双眼鏡を持って行ったので打ち手の表情をつぶさに観察できました。

全身全霊で打ち込む大太鼓、ほとばしる汗、音と振動、最高です。


一点気付いたのは全編通して鉄筒の音がけたたましく鳴り響いていた事。

マイクを使ってスピーカーから聞こえて来る音もエコーがかかり過ぎていて不自然に聞こえました。

縁を打ってもカ~~~~~~ン、締め太鼓もテン~~~~~~。

そしてこの鉄筒の音が聞こえ過ぎて太鼓の音のじゃまをしているように感じました。


会場によっては金物系の音が際立ったり、締め太鼓の音が聞こえなかったりする場合があります。

この場合、主役は鉄筒ではなく、大太鼓だと思うのでこれはちょっといただけなかった・・・。

マイクやスピーカーの使い方はホールの大きさとともにとっても難しいと思います。

でも太鼓はその増幅装置が基本的にはいらない楽器、可能な限り生音で勝負したいところです。

屋外の大会場ならいざしらず、300席の屋内ホールだと生音メインでもいけそう?

PAに頼らない、あくまでもPAは補助手段として捉えたいですね、個人的には。


いずれにしても今回のライブはまた観てみたいと思わせるすばらしい出来でした。

他の人も誘って是非観たいと思わされました!

太鼓のライブでは(太鼓には限りませんが)人を誘うのははばかられるような出来のものもありますが

これは太鼓判です!