音詞(おとことば)は太鼓用に思いついた造語です。
オノマトペは古代ギリシャに源を発する擬音語を指すことばオノマトポイーアのフランス語読みなんだそうな。
オノマトペは日本の漫画に欠かせない表現で、シーンやガヤガヤ、クスクス、ニンマリ、ムカムカ、イライラ、ガンガン、キラキラ、ガラガラ、グツグツ、ワンワン、ニャーオ、ミーンミンミン、ケロケロ等、情景や心理、動物や虫の鳴き声などを表すのに多用されます。
このオノマトペ、実は太鼓の世界で重用されています。
ドンドコ、テンテケ、テレツク、ドドーン、などなど。
西洋音楽では五線譜が常識ですが、邦楽の世界では口唱歌といわれ、記譜もありますが主に口伝で伝承されるのが通例。
この口唱歌、音詞(おとことば)という言葉で言い表せるのではないかと考えた次第。
高校の授業で太鼓を教えるようになってから思うところあって口唱歌のコードを設定しました。
和太鼓は右手、左手、両手を使い、音の大小で構成されており、従来の口唱歌ではドドンコドンドンのような表現が一般的です。
この口唱歌では右手左手、音の大小の判別がつかず、実際に打ちながら手順や曲想を覚えるしかありません。まさに口伝と手取り足取りの世界です。
どうせ口唱歌で覚えるなら左右や大小も一緒に覚える、または言葉で判別できた方がよいのでは?ということでコードを設定しました。
長胴太鼓の場合
ド=右大、ト=右小、ゴ=左大、コ=左小、ダ=両手大、タ=両手小、
ウ=右手休符、ス=左手休符、
ドドンコドンドンに慣れている人には違和感があると思いますが、高校生はほぼ太鼓が初めての子ばかり、まったく違和感を感じることなく接する事ができます。
ドゴンコドンゴンと表記、この通り覚えれば右左大小をそのまますなおに覚える事ができ、打てるようになるものと思います。
またウとスの使い分けはウットンとスッコンとなります。
従来はスットンスットンスットントンという表記ですが、これだと右左がまったくわかりません。
ウットンスッコンスッコントンとすれば右左の打ち分けは一目瞭然、覚えたとおりに打てばよろしい。
このコードの設定に至ったのは、太鼓は伏せ打ちが主流なのに高校の授業で使う器材が横打ちの台がメイン、始めから横打ちにチャレンジという事を余儀なくされたところに始まります。ハナから横打ちはいかにもハードルが高いんじゃないかと心配をしましたが、太鼓が初めての子たちは横だろうが伏せだろうが難易度は関係ないという事が判明したというわけです。
口唱歌譜も同様で、初めて触れるためそのまま素直に受け入れるだろうとの目算が立ちました。
従来の知識がないだけに障害になる事はないというわけです。
この和太鼓音詞コードで、曲をいち早くものにできる事を期待しています。