昔々、地上では生きとし生けるものそれなりにバランス良く暮らしておりました。
ところが、数が増え過ぎた事から鳥の一族と獣の一族が仲たがいをはじめました。
以前から、鳥族の猛禽類はうさぎやねずみなどの獣族を襲っていましたし、獣族のいたちや狐は鳥族のひなや卵を食べていましたが、お互い生きるためと納得ずくで生活しておりました。
これが一部の同族主義者により、自分たちと姿かたちの違う種族が多くの食料を消費する事を受け入れる事ができず、異種族への憎悪が増幅して行ったのでした。
鳥族、獣族のお互いの無知と偏見によりついに戦争へと突き進んで行きました。
戦いは一進一退、そんな中、鳥族が劣勢に。
鳥族の族長はコウモリのもとに赴き、あなたたちは空を飛ぶことができるので是非とも鳥族の支援をお願いしたい、と懇願しました。
人のいいコウモリは義憤に燃えて鳥族に加担しました。
戦いが不利になった獣族の族長はコウモリの元に赴き、お前たちコウモリは獣族なのに鳥族に加担するとはもってのほか、と牙をむいて恫喝。
これに怖れをなしたコウモリは今度は獣族に合流しました。
コウモリ、鳥、獣の熾烈な戦いでその数が減り、争いは自然と収束に向かいました。
その後、鳥族、獣族双方に味方をしたコウモリはSNSでバッシングに遭いひどい誹謗中傷の嵐に見舞われました。そんな世の中に嫌気がさしてコウモリは洞窟にひっそり引きこもるようになってしまったんだと。とっぺんぱらりん。
イソップ物語のオマージュ、ウソップ物語としての創作盗作物語、久々のアップです。