未知との遭遇で滅ぼされた文明
15世紀、スペインのコルテスやピサロが新大陸に赴き、略奪、殺戮を繰り返して
富を本国スペインに持ち帰った。
そもそも新大陸とは西欧文明からみた呼び方であって、
そこに文明を築いていた先住民族にとっては新大陸でもなんでもない、
彼らの母なる大地であったわけだ。
アステカ文明はコルテス率いるわずか五百人足らずの征服者に滅ばされ、
インカ文明にいたってはピサロの180人の部下によってあっけなく征服されてしまう。
当時のその行為は世の常識だったわけで、現在の価値観で非難されるべくもないが
将来、人類裁判が開かれるとしたら有罪となるであろう。
歴史とは面白いもので、世界遺産に登録された日本の石見銀山の銀も
当時の世界に対して少なからぬ影響を与えている。
金や銀、絹、香辛料に群がった西欧人たち。
いまだにアフリカのレアメタルやダイアモンドは収奪の対象となっている。
こうしてみると人類の歴史は基本的に限りない欲望の歴史と言えるのかも知れない。
未知との遭遇はいい事ばかりではなさそうだ。
おりしも今NHKでやっている龍馬伝で、開国に揺れる日本を描いているが
列強という未知との遭遇で彼らの餌食にならなかった日本はたいしたものだと思う。