久々の逢ふで鼓論、今回はつねならむの「ら」となります。
「ら」落差を利用する。です。
太鼓の伏せうち、平置きとも言いますが、一番一般的な打ち方かも知れません。
基礎打ちの時に伝えているのは太鼓は力任せに打つものではない、という事。
これは色々な太鼓の指導者の言葉に共通するもので太鼓の極意の一つだと思います。
上に挙げた腕をそのまま太鼓の面に落とす感じ、腕はかろうじて上に支えられているのですが、
その支える力が抜けて腕とバチが太鼓の上に崩れ落ちる感覚です。
重力エネルギーを音に変える、あたかも水力発電で落差を利用して電気エネルギーに変えるようなもの、
太鼓は力に頼って音をだすばかりではありません。
大太鼓や抱え桶太鼓、横打ちなどはこの落差を利用しづらい打ち方になります。
それでも起動するきっかけは「バチの尻を引っ張っる」という感覚は共通しているものと。
バチが縦に動く太鼓の場合は落差を大いに利用すべし、
力で打っていては体力が持ちません。
打つというよりは引っ張る感じ、これは野球のバッティングにも言える事でボールを打ちに行く時、
バットの尻を引っ張る感じで動き出しています。
剣道でも上段の構えから撃ち込んで行く場合、同じ動きをするものと思われます。
落差の「ら」、重要と思われます。