イソップ寓話 北風と太陽より
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ある日、北風と太陽が力比べをすることになりました。
まずは旅人の被っている帽子をとれるかどうかを競う事にしました。
太陽は真上からじりじりと照りつけ、旅人が暑さに堪え兼ねて帽子を脱ぐように仕向けました。
ところが旅人は強い日射しを遮ろうと帽子を深く被り直して一向に脱ぐ気配はありません。
北風は、今度は俺の番、とばかり思い切り吹き荒れたものですから
旅人の帽子はあっという間に飛ばされてしまいました。
この勝負、北風の勝ち。
太陽は負けた悔しさにジリジリしましたが、次は旅人の外套を脱がせよう、と宣戦布告。
これを受けて北風は外套をはぎ取ってしまおうとここぞとばかり吹き荒れます。
その寒さと強い風に旅人は襟を立て外套を両手でしっかり押さえつけてしまいました。
それを見た太陽は今度は自分の番、と暖かい日射しで旅人を包みます。
すると旅人は汗をかきかき、ついに自分から外套を脱いでしまいました。
これで北風と太陽の勝負は一勝一敗となったとさ、とっぺんぱらりん。
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今回のお話は北風と太陽続編に実際に収録されているもののようです。
太陽が外套を脱がす話は広く伝わっているようですが、ものには裏表があるもの。
どれが正しいかというのもなかなか微妙な問題で、一面的には捉えられない。
多くの諺はまったく正反対のことを言っているものが多くあると同時に
洋の東西や時間軸を問わず、同じような教訓話があるとも。
教訓は永遠に教訓であるようです。
人は教訓も忘れちゃいますから・・・。