HAPPYの非日常茶飯事な日々

日々の川柳や和太鼓などについて語ってまいります。

創作盗作:ウソップ物語「アリとキリギリス」

イソップ寓話 アリとキリギリスより
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
働き者のアリ達は今日もせっせと働いています。
来る日も来る日も仲間達と女王様のために身を粉にして食料を運んだり巣を作ったり。

ある夏の午後、草むらの一角で
優雅にバイオリンを弾く一匹のキリギリスがおりました。
その横をウンコラショ、ヨッコラショっと
自分の体より何倍も大きな荷物を一生懸命運ぶ
アリ、「たいへんだたいへんだ、あっちの通りに大きなキャンディが落ちてるぞ~」
と狂ったように走って来るアリなどが行き交っております。

そんな様子を眺めていたキリギリス、弾いていたバイオリンの手をふととめて
「アリさんアリさん、
何が楽しくてそんなに働き詰めなの?」と語りかけました。

アリはそれには答えずに脇目もふらず一心不乱に荷物を運んでいます。

キリギリスは続けます。
「僕は毎日こうして遊びほうけて暮らすのが一番。気楽でいいもんだよ。」

やがて季節は冬になりました。

食べるものもなくなり、キリギリスは弱った体をアリの家の前に横たえて
寒さにふるえておりました。

アリは夏の間一生懸命働いて蓄えた食料がいっぱい詰まった
暖かい家でくつろいでいます。

キリギリスを見かけたアリが弱ったキリギリスに尋ねました。

「キリギリスさん、食べ物を分けて欲しいと言われても、
私たちと違って夏の間一生懸命働いていないあなたには差し上げる食べものはありませんよ。」

これを聞いたキリギリスは弱々しく笑みを浮かべ、

「私は自分のやりたいことはすべてやったので悔いはありません。
夏に私はアリさん達が何を楽しみに生きているのか、と尋ねましたよね。
ただただ働き蜂のように働いて、あ、いや失礼、働き蟻でしたね、
私のようにバイオリンを楽しむとか、ゆったり旅をしてみるとか、
そういう愉しみを一生味あわずに生きている意味があるのでしょうか?」

アリ達は顔を見合わせ、本当のシアワセはなにかと自問自答するのでした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後日談。
このイソップ寓話はもともと「アリとセミ」という内容の古代ギリシャのお話だったとか。
これがヨーロッパに伝わり、北ヨーロッパでは暖かい地方のセミが一般的ではないため
馴染みのあるキリギリスにとって代わったそうな。
イソップ寓話はヨーロッパ経由で日本に入って来たため、
アリとキリギリスという話が定着したそうです。