HAPPYの非日常茶飯事な日々

日々の川柳や和太鼓などについて語ってまいります。

太鼓:鼓遊演奏会

鼓遊という稲城で活動する団体の演奏を観る機会がありました。

団員は18名との事でしたが第一部の構成の主力は子供たち。

音もしっかり出ていたし、曲の構成が秀逸です。

担ぎ桶を伴う演奏は踊りの要素も入って観客を楽しませてくれました。

太鼓の演奏会だからといって太鼓ばかりでは観客もお腹いっぱいになることもしばしば。

こういう構成を持っている事はひとつの強みであると思います。


琴と笛と鈴と合唱の曲はすばらしかった。

琴が4台、これを細いバチで鳴らしているのですが、イランの楽器の音を聴くようで

それでいて日本的なメロディを奏でるのはとても新鮮でした。

篠笛がまたよかった。

これに両サイドの鈴の効果音や、中央の梵鐘のような音が実に気持ちよいハーモニーを作り出しておりました。


これに類する構成のもので、長い鉄の棒を一人一人の音階で奏でる曲も面白かった。

原理はハンドベルの演奏のようなものですが、どこかガムランの曲のような音色、

歩きながら、円を描いたり、回ったり、床を打ち鳴らしたり、これはかなり芸術性が高い。


全体的には太鼓のそれぞれの音の粒立ちも申し分なく、しっかり打ち込んでいるのは

どこか長野の鬼島太鼓を彷彿とさせる音作りでした。


小学生と思われる男の子が大太鼓を打っていましたが、残念ながら音圧不足。

もう少し大きくなるとすばらしい打ち手になるでしょう。


担ぎ桶の中に、胴と革の位置がかなりずれている太鼓がありましたが、

これはきちんと芯に来るように調整した方がよいと思います。


そんなこんなで感動の第一部は終わり、第二部へ。

大太鼓(裏打ち付き)、鉦の構成は鉦が立ちすぎていた感がありました。

会場によって締めの音が聞こえづらかったり、金物が耳についたりします。

全体のバランスはリハで確認した方がよい。

また裏打ちの音が表の音を濁しているようなところもあり、もったいない。

大太鼓は打つ時間は長かったのですが、

打ち込みという点では体全体を使って打っている感じではなく、盛り上がり感に欠ける印象でした。

大太鼓を打つ姿も今や珍しくはなくなったので、見せる太鼓としての開拓が必要かも知れません。


それと屋台囃子。恐らく鼓童の舞台の焼き直しではないかと思われます。

これはよくある太鼓、という印象でした。


第一部の印象が強烈なだけあって、第二部はちょっと評価が落ちた、というのが正直な感想です。


最後のアンコール、鼓桜という団体も加わっての舞台となりました。

チャッパが二人で同じフレーズを刻んでいましたが、この辺は呼応した音作りもありかなと思いました。

和太鼓はどちらかというと対象形で皆で同じフレーズを打つものが圧倒的に多いようですが

音の重なり、分散、呼応など、もっと音楽的に面白い構成ができるのではないかと思っています。


いずれにしてもいろいろな演奏に触れる事はいい勉強になります。

鼓遊の演奏に感謝。