我々の太鼓にはドカンと呼ばれるリズムの要の楽器があります。
三種類の太さの異なる鉄の筒を溶接したもので三音階を奏でる事が可能。
テンポ保持やスピードアップ、ダウンの指示はこの楽器が受け持ちます。
今までの演奏会で気になっているのは、この楽器は誰でも打てるものではないという事。
演奏全体を把握してまとめたり、調整をする能力が問われます。
オーケストラでいうところの指揮者の役割。
正確なテンポ保持は言うに及ばず、ただテンポを刻んでいればいいというものでもありません。
曲全体に色をつけたり、要所を締めたり、演奏自体の厚みや奥行きを増す事ができます。
今回の演奏のDVDを見てみると、テンポを単調に刻んでいると曲自体も平板に聞こえるのがわかります。
また、ことさら裏を強調したりの打ち方をすると、ドカンだけ浮いてしまい、太鼓となじまない感じに仕上がってしまう事も。
太鼓の中で、ドカンは金属的な音を発するのでとてもよく聞こえます。
(それゆえリズムの要になり得る)
(それゆえリズムの要になり得る)
あくまでもドカンの基本は隠し味的にでしゃばらずそれでいて全体を引き立てる役に徹するべきでしょう。
やはりかなりの力量が求められる要のポジションと心得る事が肝心。