人間は生命科学の分野でいよいよ神の領域に足を踏み入れ始めている。
その一つがクローン技術。
DNAを複製して複製元と同じ遺伝子を持つ生命体を創り出すところまで来ている。
遺伝子情報を書き換える技術も完成しつつあるようで、中国では遺伝子を自在に書き換えた実験用ネズミを研究機関に販売し、莫大な利益を得ているとか。
ペットの世界でもかつて飼っていた動物のクローンを作り、蘇らせるという事が行われている。
倫理的な問題が解決されれば人間の世界にも及ぶ事だろう。
映画ではもうそういう世界が描かれており、母親の髪の毛から母親を再生する。
まるでコンピューターゲームのように、死んでも再生可能となり、死の意味が変わる可能性をはらんでおります。
でも、果たして肉体はクローンで甦るとしても、生前の記憶は蘇らせる事はできないのでは?とも思います。
母は蘇っても、子どもの顔を見て「どなたさんでしょう?」と認知症の症状を呈しているのでは?
母になるには一緒に数十年間過ごすしかなく、今度は子どもの方の命が絶える事になるんではなかろうか。