子供の頃は怪我と言えば赤チンの出番でした。
赤チンはマークリキュロム液の通称、まさに赤い色の消毒液。
昔はなぜか膝小僧を擦りむいたり、手指を切ったりの怪我が日常茶飯事でした。
そういう時はとにかく赤チンを塗って塗って塗りまくり、あまり塗るものだから
傷口が赤色を通り越してコガネムシのような金属的な緑色に輝いていたり。
かさぶたになって、痒いものだから思わず掻いてまた出血、その上から赤チンを・・・。
確かによ~く効きました。
ところが、この赤チン、ある日突然姿を消したように思います。
一説によると水銀が含まれているため、とも言われますが(確かにあの輝きは尋常ではない)
赤チンを長年使っていたため水銀中毒になったという症例は一つも報告されていないんだとか。
ちょっと調べてみると、確かに成分の化学式にはHg=水銀が存在します。
が、この水銀、分子構造上体内に取り込まれにくいという事のようです。
むしろ、その原料の製造過程において有機水銀が発生するのが問題なんだとか。
かつて水俣病等で有機水銀汚染が深刻な社会問題となり、
その影響で赤チンの原料の国内生産が停止となったそうです。
が、今でも国内にある二社で赤チンそのものは製造販売されているそうです。
有機水銀が発生する原料は中国で生産、その原料を輸入して日本国内で製造しているんだとか。
なんだか複雑な心境になりますが、赤チン健在、という事ですね。