イソップ寓話より 金の斧
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ある日、正直者の樵が湖のそばで木を切っていました。
日も高くなり、汗で手をすべらして、思わず大事な斧を湖の中に落としてしまいました。
樵が困っていると金の斧を持った頭に白い布を巻いた白装束の水神が現れ、
これはお前の斧か?と尋ねました。
樵は違うと答えます。
すると今度は銀の斧を持って現れ、これがお前の斧か?と尋ねます。
樵はそれも違います、と答えました。
しばらくして水神は樵の鉄の斧を持って現れ、これがお前の斧か?と聞きました。
樵は はい、それが私の斧です、と答えました。
それを聞いた水神はにわかに憤怒の形相に変わり
お前の不注意で私の頭にこの斧が当たり大けがをしてしまった、思い知れっ!
と、樵を柳の姿に変えてしまったんだと。
水辺に柳の木が多いのはこういうことなんだ。
とっぺんぱらりん。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
正直者が一生懸命仕事をしていても業務上過失傷害に問われる危険性をはらんでいるので
コワイ。
イソップ寓話では、正直者の樵にはその正直さに神様は金の斧、銀の斧、鉄の斧を与えました。
それを聞いた仲間の強欲な樵は、わざと湖に斧を投げ入れ、金の斧をせしめようとしましたが
神様にそれを咎められ、商売道具の鉄の斧も失った、というお話。
巷では「おめでとうございます!今回、金の斧があなたに当たりました!!」
というような類いの人の欲を利用した詐欺が横行しています。
くれぐれもご注意を。
相手の話に乗らず、柳に風、の対応がよろしいかと。