HAPPYの非日常茶飯事な日々

日々の川柳や和太鼓などについて語ってまいります。

三宅考119:三宅島木遣り太鼓

三宅島郷土芸能保存会による三宅島木遣り太鼓の体験講習、まずは座学から。

一番始めに、三宅太鼓というものは無いこと。

三宅島には五つの地区があり、そのうちの一つ、神着地区のお祭りの太鼓が

神着木遣り太鼓として東京都の民族無形文化財に指定されています。

他の地区にもそれぞれの芸能があり、獅子舞や神楽などが受け継がれています。

という事で三宅太鼓といわれる太鼓は島には存在して居らず、強いて言えば三宅島の太鼓、

神着木遣り太鼓が世に言う三宅太鼓と呼ばれているものの原型と言えるでしょう。

日本太鼓協会公認指導員が、今回の研修で学んだものを完成させ、

舞台で演奏する時に三宅島神着木遣り太鼓と称していいのかどうかを尋ねたとき、

誰が観ても納得行くものであればそれは誰が許可する物でもできる物でもない、

演奏する人たちがその確信が持てるのなら名乗ってもらって構わない、との事でした。

日本太鼓協会公認指導員が三宅島神着木遣り太鼓の継承者となれるよう、

やる以上は覚悟が必要という事でしょう。


練習に入る前に、自分たち指導員の三宅の演奏を観てもらいました。

寄せ太鼓、神楽、木遣り、打ち込み、木遣り、六上げ、という構成。

これも殆どぶっつけ本番、交代のところはかなりもたついたりしましたが、それが実力。

寄せ太鼓を打って人は後ほど個人教授を受けていました。
(内容に関しては今後情報共有をしたいと考えています)

神楽は木遣りとダブる時は音量を下げて打つ、太鼓を担いで歩きながら打つので

歩くテンポを基本に、という指導がでました。

木遣りは合格。

打ち込みの下拍子、上拍子については別途講習にて。

便宜上、上げ下げと最後の六上げを一人で担当しましたが、

これを本番で一人では打てない、とも。


その後、重要な下拍子を念入りに練習。

唱歌は「ドどんドどん」(カタカナは左手)。

手先だけではなく、手首、腕、肩も使い、脱力して打てるように。

手の向きは伏せ打ちが横になるだけで、裏拳のように手首をこねない、という事です。

この点は今迄習ってきた三宅と違う点1。

下拍子は地味だけれど上拍子を乗せる大切な役目、楽しくなければ太鼓じゃない、との事。

ゆっくり打つ、速く打つ、いろいろなテンポで下拍子をみっちりやりました。

参加した指導員の多くは三宅の経験はそんなに長くないのでどこかぎこちない。

それに比べると保存会の人たちは無駄無理のない動き、軽やかで力強い。


下拍子の後、皆で木遣りの練習。上拍子も基本からやり、午後に備えます。

お昼のお弁当の後、午後の打ち込み練習へ。

つづく