HAPPYの非日常茶飯事な日々

日々の川柳や和太鼓などについて語ってまいります。

日本道中:一富士二鷹三茄子

今年の初詣、どこに行こうか?

去年は川崎大師迄足を伸ばしましたが、とんでもない人出に辟易。

そういえば正月の初夢の「一富士二鷹三茄子」の舞台が実は駒込にあるとの情報を得、

近くに目赤不動もあるらしいので、そこに行ってみることに。

カーナビに住所を入力し、自宅から30分ほど走ります。

ナビに従い到着、右側にこんもりとした山が見え、そこらしいのですが入り口が見当たりません。

一方通行だらけで新年から道に迷いましたがぐるっと回って鳥居の前へ。

その横の細い道から境内へ。

がらんとした境内は正月の賑わいのカケラもなく、静まり返っております。

車を停めるとおばちゃんが何か叫んでいます。

そこは有料駐車場の入り口なので車を移動して、との事。

う~ん、どう考えても邪魔にはならないけれど、ま、いっか。


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正面に小高い山、鳥居と社の屋根が見えます。

右側には女坂、その手前に登山道があります。

という事はこれが一富士と言われた富士塚そのものなんでしょうね。

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正面の階段はとっても急なもの、石段の踏み面(水平面)よりも蹴上げ(高さ)の方が

寸法がある、という事は角度が45度よりも急だという事になります。

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上から見下ろすとこんな感じ、とてもじゃないが手すりがないと怖くて下りられません。
それが証拠に古びた手すりは黒光りしています。
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江戸時代には富士山を信仰する富士講が盛んで
人工の富士山、数多くの富士塚があちこちに造営されました。
その中でもここ駒込富士は最も古く、町火消しの間で深く信仰されていたそうな。

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至る所に町火消しの組頭から寄進されたマトイの石碑がたくさんあります。
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なにゆえ一富士二鷹三茄子なのかをひも解くと、

富士山は信仰の対象でおめでたい、

鷹は現在の駒込病院あたりに将軍家の鷹匠の屋敷があったこと、

茄子は江戸の消費を支える駒込茄子の名産地であったことから

駒込富士神社の縁起物として当時の川柳に詠まれたのが

駒込一富士二鷹三茄子

これが新年の縁起物として流布したようです。

ちなみに駒込茄子の他に

目黒の筍、新宿成子天神の鳴子瓜、亀戸大根、練馬大根、谷中生姜、小松菜、千住葱、

内藤新宿の唐辛子などが有名だったそうです。


今回訪問した駒込富士神社富士講が主体で維持されていたそうで、

富士講が消滅した今、維持管理が大変なようです。

普通、正月はおみくじやら縁起物を売り出して賑わうのですが

ここ富士神社は社殿も社務所も閉まっていてお賽銭も祈願もおみくじを買うこともできません。


神社ビジネスとして捉えるなら正月の縁起物として一富士二鷹三茄子はあまりにも有名、

それをうまく売り出せばこの富士神社も流行るとは思うんですけどねえ。

お参りした人が初夢宝くじを当てでもしたら押すな押すなのパワースポットになるやも。

高い望みが叶う富士山ストラップや鷹おみくじ、何事も成す茄子お守り・・・。

そんな夢想をしながら次なる目的地、目赤不動へ。