HAPPYの非日常茶飯事な日々

日々の川柳や和太鼓などについて語ってまいります。

日本道中:金沢11武家屋敷それぞれ

金沢市指定保存建築物となっている大野家、
今は瓦葺きとなっていますがその下に板葺き石置きの当時の屋根が残されているとのこと、
また間取りは当時のままという加賀藩の平士の暮らしを伝える希少な文化財
遺産ではなく現在も住まわれている生きた文化財と言えるでしょう。
ここは外から眺めるだけとなります。
玄関先には「人が住んでいます。勝手に戸を開けないで。」との注意書きが。
傍若無人な観光客もいるようです。
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少し歩くと長屋門が復元されており、内部には中級武士であったの平士の丁寧な説明が。
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長屋門、平士の詰め所、厩が復元されています。
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少し離れた所にある足軽資料館。
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武士の最下級にあたる足軽の暮らしぶりがよくわかるようになっています。
佇まいは昭和の住宅のような懐かしさがありますが、
逆に古き昭和の住宅の間取りは江戸時代から引き継いでいるという事がわかります。
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座敷。
格式を重んじた武士の暮らしは足軽でも同じで、客を通す座敷が重要な位置を占めています。
床の間、縁側の先には庭。明かりとりの欄間の障子が機能的です。
庭は眺めるというより野菜などを作って暮らしの足しにしていたそうです。
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こちらは水屋、いわゆる台所ですが窓に面していて日中は採光を確保、
江戸時代の生活は明け六つ(日の出)から暮れ六つ(日の入り)までが
主な生活時間帯であったことを考えると非常に合理的な設計ですね。
またカマドの煙なども前面の障子戸を開けば退散したと思われます。
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こちらは「あま」と言われる屋根裏部屋、今で言うロフトですね。
手狭な住宅を工夫して暮らしていたことがわかります。
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館内いたるところにある説明、これを読んで行くと足軽の生活ぶりが手に取るようにわかります。
旅はものとしての施設を眺めるのもオモシロイものですが
歴史という時間を旅するという知的旅行はもっと楽しいもの、
その意味で武家屋敷跡の観光は充足感がありました。
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足軽の清水家に伝わる資料も展示されており、これは介錯の方法を伝えるもの。
足軽世襲ではなかったそうですが足軽「株」が売買されていたとか。
現実的には世襲制のように運営され、仕事の一つとして切腹介錯や飛脚を勤める家も。
そのためにこのように代々伝えられるいろいろな伝書があったようです。
司馬遼太郎の小説に介錯人をテーマとしたものがあったように記憶してます・・・。
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これ以外にも花の生け方、俳諧、剣術指南書、などの武家らしい展示がありました。

長町武家屋敷界隈、ここは表面的にではなくじっくり回ってみたいスポット、
とても興味深い地域という印象です。
解説が日本語だけというのがちょっと気になりますが
街を行く和服姿の人は観光客にとってはこの上ないプレゼントですね。
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これで今回の金沢道中はおしまい。

このあと番外編として金沢うまいものをアップしてみようかと思うとります。