殺生を禁じた仏教の教えにより、魚をはじめ鶏、鹿、猪、狸、等々を使う事はないそうです。
野菜やきのこ、豆腐やゆば、豆類、海藻などを材料に様々な工夫を凝らして作られているとか。
牛乳なども使われる事があるようで動物性蛋白がダメというわけでもないようです。
かつての仏教では、人が食べるために殺したものではない生き物の肉、
僧侶のために殺されたものでなければ口にしてもよい、との戒律もあったそうです。
殺生を禁じた仏教の趣旨からすれば妥当な解釈かも知れません。
先日テレビで宿坊の番組をやっていましたが、その中で数々の精進料理が紹介されていました。
ウナギの蒲焼きを模したもの、さしみコンニャクやおからの肉料理もどきなどなど。
巷にも豆腐ハンバーグなどそれに類するものがあります。
このもどき料理は中華料理の影響が大きいらしく、大豆などを使った○○もどきは
それだけで一大ジャンルを築いているようです。
ここでふと疑問に思った事があるのですが、煩悩を絶つ仏の教えでも食欲は例外だったのでしょうか。
うなぎの蒲焼きもどきがあるという事は、うなぎの蒲焼きを食べたいという欲求を捨てきれない証拠?
食感や味覚までもそっくりなら気分的にはうなぎを食べているのと変わりなく、
殺生をまぬがれているという事実のみに満足するわけで、キリスト教の免罪符と同じ事になる?
何事もカタチに捉われる事はよろしからぬ事、ま、今の日本仏教が釈迦の精神を生きたものとして
布教しているのかどうかはよくわかりませんが、精進と料理、興味深いものがあります。
肉や魚、鶏や卵をいただくときに命を受け継がさせてもらうという気持ちがさらに深くなってきました。