あの世まで 持ってや行ける モノは無し
よく断捨離と言うことばを聞きます。
この世におさらばを言う前に身辺整理をしておこうという算段する事をいうようです。
日本では仏教思想の影響もあり、諸行無常、人の命も体も永遠に在るという事はない、人の世ははかなくも虚しいものよ、とかなり感傷的な人生観が主流となってきたように思います。
古代エジプトでは死者が甦った時のために、故人の体が永遠に在り続けられるようにミイラ化する事を発明しました。
現代でも医療の飛躍的な進歩を期待し、永遠の命を得るために肉体を冷凍保存する人々がいます。
そうまでして生きたいと願うのは死に抗う生命の本能なのでしょうか・・・。
個体の死滅は生きとし生けるものすべてに平等に訪れます。
死は極々ありふれた自然現象の一つに過ぎないと思っています。
この世界から消滅する恐怖、生を謳歌できなくなる不安不満を人が抱くのは自然な感情と思いますが、死は当然のイベントとして受け入れ、生は次の世代に引き継いでもらう、というようにいい加減あきらめないとこの世は生きる事に強欲な人ばかりであふれてしまいます。
あの世があるとか、霊魂は不滅、と願うのは人の未練が生み出した世界観ではなかろうか、と思う次第です。
ただし、あきらめがつくのは自然死の場合で、いわゆる変死の場合はそう単純に行かないのかも知れません。