初心者ドライバーは車を運転するのに精一杯、周囲の交通状況に目をやるゆとりはありません。
太鼓の初心者も同じように、曲を追うことで精一杯、周囲の状況を確認してはいられません。
目的地に行くのに、道順を覚えないとたどり着けないように、
太鼓では曲(道順)を覚えないと始まりません。
太鼓にはカーナビのようなツールはないので、かつてのドライバーのように
何番目の角をどっちに曲がるとか、どこの交差点を左に曲がるとか、どこの駐車場に入れるとか、
自分で運転しないとなりません。
それでも先輩たちと演奏する時、先輩たちの音の中に紛れてなんとかたどり着く事は可能です。
でも、頼ってばかりいてはいつまでも曖昧なところが残り、一人前のドライバーになれません。
しばらくやっていると、道順も覚えて自分で運転できるようになります。
道にも慣れて、車の流れにも乗れるようになり、高速も問題なく走れるようになり、
余裕を持って周囲の状況判断ができるようになります。
複数台で走っている時も、信号のタイミングを見計らって運転したり、
後ろについて来ているか確認したり、と他に気を使うこともできるようになります。
しかし、この慣れが問題で、ただ流す演奏になるという落とし穴が待っています。
太鼓の演奏は車の運転と異なり、表現する音楽であるという決定的な違いがあります。
習うより慣れろ、初心忘れるべからず、という事は大切に、です。