HAPPYの非日常茶飯事な日々

日々の川柳や和太鼓などについて語ってまいります。

本日:河鍋暁斎展

渋谷にある東急Bunkamura ザ・ミュージアムにて開催されている

河鍋暁斎(かわなべきょうさい)の展覧会に行ってきました。

渋谷迄は歩いて30分ほど、朝から快晴の日射しは熱いくらいでしたが、

まだまだ冷たい風の対比が心地よい陽気となりました。

展覧会は16日までとの事で、かなりの混雑を覚悟していましたが、

平日のせいかそう混み合ってはいませんでした。

河鍋暁斎は江戸末期(天保2年、1831)から明治22年(1889)にかけて

活躍した画家で、歌川国芳に弟子入り、狩野派、土佐派、琳派、四条派、

浮世絵などを網羅した天才。

英国人の建築家ジョサイア・コンドルが弟子入りしていたそうです。

コンドルの母国イギリスに紹介され、海外で高い評価を得ています。

反面、日本ではなぜかあまり知られていません。

今回は、ロンドンで画商を営んでいるイスラエル・ゴールドマン氏の暁斎コレクション、

墨の濃淡で表現される絵の世界の深さや、緻密な細密描写、大胆な筆遣いなど

想像性と創造性豊かな世界に息をのみます。

カラスの絵が代表作ですが、私が一番衝撃を受けたのが「雨中のさぎ」という1枚。


制作年代不詳の錦絵ですが、墨絵の省略の技巧と

時代を超越したその表現にしばらくその場を動けませんでした。

この作品には思わず絵はがきを買わされてしまった程。(右はチケット)
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カラスの絵も多数出品されていましたが、そのデッサン力には驚愕します。

墨絵は一発勝負、油絵と違い修正が殆ど不可能、

一気に描き上げる迫力、スゴイ!

河鍋暁斎、紛れも無く世界に誇れる本物の天才ですねえ。


幽霊画を展示しているコーナーがありましたが、

本作の横に、下描きが展示されていました。

手紙の裏や、何枚もの和紙を張り合わせたものに描かれたそれは

細かな修正の跡が見られ、いかに作品の完成度を上げる研究をしていたのかがわかります。

そうかあ、一発勝負はこの執拗な下描きに裏打ちされているんだと言う事がわかり、

なぜか愉快な気分になりました。

印象に残ったのは、優れたデッサン力に裏打ちされた緻密な表現と、

同じくデッサン力に裏打ちされた省略の表現。

また、どこか皮肉屋の要素が垣間見えるところなど、とても親近感を覚えました。