DVDに収められた映像からは大太鼓のあの体に響く音の迫力は伝わって来ません。
録画条件も様々で、太鼓もとても大きなものから大太鼓とは呼べないものまでいろいろです。
そういう悪条件(?)の中の審査ですから他の審査員も苦労されたかと思います。
審査員は協会関係者20名ほど、公認指導員も複数参加していました。
技術的な事、バチが同じ軌道でふれているか、体全体を使って打ち込んでいるか、
曲の構成は斬新か、音的に自然なつながりが感じられるか、起承転結のメリハリがあるか、
太鼓の面を全部使っているか、面での音の使い分けをしているか、
パフォーマンスは十分か、無駄な動きはないか、
音は出ていそうか(動画からは判断できません)、
等々、自分でチェック項目を設定して審査に臨みます。
恐らく同じ団体から(高校の和太鼓部?)複数エントリーがありましたが、
皆が同じような打ち方、構成の仕方で自分たちの枠から出られていません。
これは同じ団体からという事がわかった結果、キツイ言葉で言えば井の中の蛙状態、
もっと大太鼓というものを研究すべきと感じました。
自分で大太鼓を打つとしたら、一台の太鼓から様々な音を出してみたい。
大太鼓故に太鼓の面は広く、打つ場所、強さで意外に音の種類を作り出せると。
その中には縁も入ります。
大太鼓はこういうもの、という既成概念を文字通り打ち破ってみたい。
と、今のところは頭の中でしか考えていませんけど、実践してみたいテーマです。
そんな事を考えながら、モニター画面を眺めておりました。
私が知っている人もエントリーしていて、大太鼓と足に付けた鈴の構成での演奏、
3~4年前のビデオ審査にてこのスタイルを初めて見て、斬新っ!!と高得点をつけました。
しかし、これは邪道とか、大太鼓ではない、という声も聞かれ残念ながら
出場は果たせませんでした。
創作太鼓は何を試みても自由で、太鼓はこうあるべき、という論理は不要と思います。
要は演奏を観て、何か感じられるかどうかが肝心で、枠にはめるのはどうかと思います。
今回の審査では評価する声も聞かれましたが、さてどうなります事やら。
これ以外に組太鼓一般の部、組太鼓こどもの部、全部で60曲ほどの審査を行いました。
この日はもう太鼓でお腹いっぱい・・・。
でも、とても勉強になる一日を過ごす事ができました。感謝。