かつて都内で戸建て住宅を捜した時期がありました。
そんな時、建築条件付き宅地という物件があり、必ず指定業者が建物を建てるという条件で土地を購入するというものでした。
建物は建売とは違い、自由設計で自分好みの家が作れるという魅力がありますが、もちろん購入予算は内容によって増減する事になります。
元々基本プランがあり、極々当たり前の建売住宅然としたものでした。
そこでこちらが提案したプランは一階部分は車庫とトイレ、二階に寝室、三階にリビングと風呂、という構成でした。
風呂は屋上にあり半露天、風と太陽や月の光が降り注ぐというもの。
基本プランでは風呂は当然1階にありました。
狭小住宅の一階は窓を付けたとしても密室状態、そこでは体を洗うという機能を満たすだけのもので自然を感じたりする事はできません。
夏、休みの日の午後に天窓を開け、ぬるま湯に浸かる贅沢を夢想しました。
また窓があれば日中は照明不要、開けておけば浴室は乾燥状態を保てます。
もうひとつ、浴槽が最上階にあることで風呂の残り湯をトイレに導くことができ、水資源を無駄なく使う事ができます。
トイレの水を流すのに飲める水を使うのは実にもったいないデス。
寝室は寝る部屋なので景色や日中の光はなくてもけっこう。
個人的には寝室をベッドが占有するのは好きではないので布団派、日本家屋の使い方で布団を上げれば居間に使えるという多機能空間がいいと思っています。
通常寝室は2階とかですが、都心の住宅では2階といえど窓を開ければ隣家の壁、日当たりや景色の事を考えれば最上階が適当かと。起きている間は日光が恋しいですから。
こんなプランを提示したら向こうから断られました。
彼らにしてみれば「非常識」きわまりないものだったのでしょう。
その後マンションをあちこち回り、今のところに落ち着きました。
以前のマンションと同じく東南の角部屋ですが、以前と違い浴室に窓がないのが唯一の不満です。