「太鼓のいろは」は太鼓の手ほどきをするための自分なりの指南書という位置付けで書き綴って行く予定であります。
まずは「いろは」についてのウンチクをば。
「いろは」は日本の仮名文字の47文字をいろは歌というもので学べるように工夫されたものです。
今の小学校のこくごの授業で、あいうえおかきくけこ・・・または、あかさたなはまやらわ・・・と味気ない暗唱と筆記をやっていますが、「いろは」は文字を学びつつ文章として意味を持たせた学習教材になっている優れものだと思います。
いろはにほへとちりぬるを・・・色は匂えど散りぬるを
わかよたれそつねならむ・・・・我が世誰ぞ常ならむ
うゐのおくやまけふこえて・・・有為の奥山今日越えて
あさきゆめみしゑいもせす・・・浅き夢見じ酔いもせず
匂い立つ鮮やかな花もいつかは散ってしまうもの。この世では誰も不変ではいられない。この混沌とした現世を超越し、儚い夢を見たり酒に溺れたりしない事だ。
と、子供にはいささか難しい仏教的な解釈がなされていますが、いろは歌の成立年代が諸行無常の仏教思想全盛時代の平安時代と考えると、いかにもらしい内容なのかと思われます。
今の小学校では仏教思想に基づく教育はできないので、無味乾燥なあかさたな、になるのも致し方ない事なのかも知れません。
さて、太鼓のいろはは無味乾燥ではなく、いろいろな意味、理由が詰まったものにしたいと思っています。