三宅打ち(本来こういう打ち方はないのですが、あえてそう呼ぶことにします)は
不自然なほど低い位置での横打ちを強要(?)されます。
これがカッコイイので巷でも人気の太鼓の一つとなっています。
以前、指導員講習でこの三宅打ちも紹介されましたが、その時の先生の言、
なんであえてこんな無理な姿勢で太鼓を打つのか(理解できない)的な事をおっしゃっていました。
鼓童が三宅打ちを世界に紹介し、「三宅」として広まりましたが、
「なんで」そんなに低い姿勢で打つ太鼓なのかは広まらなかったように思います。
太く短いバチで太鼓を抱えるようにして打つスタイル、「腹筋太鼓」(仮称)として有名です。
これも「屋台」という独特なインパクトのある太鼓として人気があります。
舞台で演奏される太鼓は見栄えする要素も必要で、「カッコよさ」も求められます。
伝統系の太鼓はそこら辺はどちらかというと無神経で、
太鼓を打つ人とそれを観る人がその場で楽しむ、という事に重きが置かれているように思います。
その地の味わいが色濃く出ているような伝統系の太鼓は、訛っていると個人的には表現しています。
私自身、舞台での土着的な太鼓が洗練されていないという印象を持つ事がありました。
今思うに、それらを舞台芸術として観るのは間違いで、芸能として鑑賞すべきなんじゃないかと。
同時にそのスタイルが生まれた文化的背景を知ることもとても重要だと思います。
スタイルだけをコピーすることは比較的容易ですが、
なんでそういうスタイルに落ち着いたかを知ることは太鼓文化を伝承する上で大事なことと思います。