久しぶりに復帰の男性、前回の演奏会に出れなかった人が二人。
そのために基礎打ち曲をちょっと念入りにやりました。
先週は日本太鼓協会の太鼓祭り、西日本大会の特別審査員で練習を欠席しましたが、
その間に基礎打ち曲が違うフレーズにになっていたりして、
一貫した練習を続けるのはやっぱりたいへんのようです。
基礎打ち練習曲の中にはソロのパートがあり、一応8拍をそれに充てています。
今までは曲通りに打つ事だけを練習して来ましたが、それだけではつまらない。
各人の個性や表現をできるところとしてソロパートを用意している事を伝えています。
ソロの課題はいくつかあり、まずは8拍(8小節)の長さを把握すること。
拍を数えながら、もしくは体感的につかむのはある程度練習しながら体で会得するしかありません。
自分が今いくつまで打っているかは自分で把握するしかない自己責任の世界になります。
既成の曲はフレーズ通りに打てばいいので今どこの小節かを意識する事はありません。
ソロは決まったフレーズがないので、拍数の目安が無く、皆さん苦労しているようです。
以前から、それを補完する意味でソロ回しのコツを伝えて来ました。
一つ目は拍数を数えながら打つこと。
1234223432344234×2を自分で発声しながらそれにあわせて太鼓を打つ。
複雑なフレーズは墓穴を掘るのでなるべくシンプルなフレーズで、テンポをとる事を第一義とする。
何も太鼓だからと言って打ち続ける必要もなく
1◯◯◯2◯◯◯3234◯◯◯◯12◯◯22◯◯32◯◯4234というように
打たないところもあってよく、その間、振りや踊りを入れてもソロゆえに許される。
さて、二つ目のソロ打ちのコツ、それは音をことばに置き換えること。
1 2 3 4
ソ・ロ・打・ち・ソ・ロ・打・ち・とんでもない・・とんでもない・・
1 2 3 4
とんでもなイッたらとんでもない・・ソロなんて・・・打てないよ・・・
というコトバ通りにもうソロを打てているわけです。
このように前もって拍におさまることばを考え、そのことば通りに打つ。
聞いている人にはとても立派なソロ演奏にみえます。
ことばを組み替えればいくらでもフレーズが創れます。
さて、今回のソロフレーズ作成の秘技の三つ目。
それは自分の知っている曲を唄いながら太鼓を打つというもの。
4小節×2の曲に乗るということです。
それを唄いながらフシ節に合いの手を入れるように打つ、ちょうど盆踊りの盆太鼓のように。
実はこれ、八丈太鼓を始めた時にやっていた方法で、いきなりアドリブで打てと言われても無理なので
軍艦マーチやベートーベンの第九交響曲なんぞのメロディをイメージしながら打っていました。
曲は自分の頭の中にしか流れていないので、まさか第九とは絶対にバレません(笑)。
以上、三つの秘技を駆使して、自分を表現できるソロフレーズをそれぞれ創ってもらえる日を
心待ちにしています。
でもソロパートは全体の流れの一部なので、あくまでもテンポを正確に伝えて行くという基本原則は
死守してもらいたいものです。独りよがりなわかりにくいフレーズは次の人にとても迷惑、
テンポの上に乗って、人も自分も楽しい太鼓を目指して欲しいと思っています。