太極拳と太鼓
以前太極拳をやっていたのですが、当時流行り始めた健康体操には飽き足らず、動作の武
術的な動きを知りたくなり、あちこちの稽古場の門を叩きました。
姿勢を低く保つこと、体の芯がぶれないこと、脱力すること、自分と相手の気、力の流れ
を感じること、体重移動の妙など太極拳の動き一つ一つにはそれこそ沢山の理由(わけ)
が潜んでいます。
今思うと、この太極拳の動きは太鼓の動きに共通しているものが実に多いです。
以前、ブロ友のつーパパさんの記事に、瞬間的に大きな音を出す動画がアップされていま
したが、この動きが太極拳の極意のひとつ、発経(はっけい)の動きなんですね。
足先に感じる大地からの気を一瞬にして指先に伝え、力を爆発させる、時間が短ければ短
いほど破壊力は増します。いわゆる物理で言うところの力積。
同じ距離を移動するのにかかる時間が短ければ短いほど力は大きくなるという理屈です。
これはバチ先のスピードが速ければ速いほど大きな音が出せるということと同じです。
足先から得る大地の気とは実は大地を蹴る反動の力と私は解釈しています。
大地を蹴る意識は作用反作用で、体を前進させる力に生まれ変わります。
下半身を使った太鼓の打ち方、大事かも知れない・・・。
太極拳で相手を撃つ時、自分の体重を利用して破壊力を最大限にまで引き出します。
太鼓もまったく同じことが言えるかも。
その事から昨日の大太鼓の自主練習で、いろいろ試してみて、太鼓は上半身だけで打つも
のではないという確信を得ました。
大地を蹴る(気持ち)力が脚、背中、腕を通ってバチ先に移動しそれに体重を乗せて打つ
感覚、最後はバチ先で太鼓を突き破るような感じです。
妙な言い方ですが、腕だけではなく体が鞭のようにしない、頭の先から太鼓の中に入って
しまうような感じ。それを一瞬にして行う。
その打ち方は腕だけで打つ時とは明らかに音の質が違うような気がしました。