HAPPYの非日常茶飯事な日々

日々の川柳や和太鼓などについて語ってまいります。

川柳:笑の質

 芸の質 笑わせるから 笑われる 

昔のお笑い番組を見るにつけ、そのテンポの悠長さ、

話術が主役のお笑いに一種の安堵感さえ覚えます。

時代がのんびりしていたんでしょうね~。


そう言えば子供の頃、お正月に「三河万歳」という門付が来ていました。

恵美須、大黒のお面を被った二人組、一人は鼓を打ち、一人は踊ったり唄ったり。

万歳と言いながら、あまり面白くないなあと子供心に思っていました。

これって起源は戦国時代に遡るとのこと、

正月の祝い事として、おもしろおかしく地方を回っていたとか。

娯楽の乏しい時代の、庶民のささやかな、そして大きな楽しみであった事が想像できます。


そんな笑いの芸能の要素を引き継いで登場したのが「しゃべくり万歳」。

エンタツアチャコ創始者とされています。

話術、話芸で人を笑わせる、笑に引込む、笑を引き出す、というものでした。

テレビの普及に伴って、笑は見る時代に。

そうなると話術で人を笑わせる、から、動きで笑ってもらう、

あるいは話も「笑わせる」から「笑われる」というものが登場。

「笑われる」というのは自分を卑下して見せる事にもつながり

笑の質が低下したようにも思えます。

私はガチャガチャしたバラエティ番組やお笑い番組は殆ど見ませんが

その手のお笑いをハナから見下しているからかも知れません。

いわゆる笑い者になる芸が目に付き共感できる笑ではないと・・・。

今は亡き夢路いとし・こいしやてんやわんやの万歳は笑わせるという事では

芸術の域に達していたように思います。