2007年9月29日、19:00 すっかり闇に包まれた厳島神社に太鼓の音が響く。
ヒダノ修一、今福優、時勝矢一路、林田ひろゆき、佐藤健作の5人のソロイストが集結、約1時間40分にわたり、プロの妙味を披露した。
それぞれの個性が神社の高舞台でぶつかりあい、融合し、太鼓の響きとなって夜空に舞いあがって行った。
遠くの山に太鼓の音がかすかにこだまして、それが人工的でないのが実に心地よい。
ヒダノ氏は太鼓の演奏のみならず、舞台構成やそのおしゃべりもどこかユーモアがあって魅力的。企画力は抜群である。
演奏途中、舞台の広さに限界があり、舞台に太鼓が置いてあるためどこかに死角が生じる事を観客に陳謝、観客は不満を持ちながらそれに納得する。
実にこちらの心理もたくみに突いてくるのである。
今福氏の律儀な舞台。大太鼓の掛け声が甲高いのはちょっと不利かな。
時勝矢氏の忍者のような衣装、笑顔に救われている。
林田氏の独特な風合い、この人のかつぎ桶はやはりすさまじい。
佐藤氏の筋肉と中国雑技団を向こうにまわす曲技に会場が沸いた。
帰り際には引いていた潮がひたひたと満ちてきて、厳島神社はまた水上の神秘的な姿に戻って行きました。
太鼓というのは、よくわからないけど不思議な魅力があります。