HAPPYの非日常茶飯事な日々

日々の川柳や和太鼓などについて語ってまいります。

この世:デザイン考

イメージ 1
 
以前、知り合いから頼まれて意匠設計をした建物。
 
外装はレンガタイルを貼っています。
 
レンガタイルは古くなっても汚れが目立たず、建物の格を保ち続ける事が可能な素材。
 
初期コストはかかるものの塗替えなどが不要で維持費がかからずメンテナンスも楽。
 
商業ビルなので、「道の左側の赤いレンガの建物」、といえばわかってくれる自己主張も必要。
 
 
商業ビルはテナントの入れ替わりがあり、使われ勝手も千差万別です。
 
そのためにあまり限定的なプランや意匠は感心しません。
 
またサインや看板も商売にとっては大事な要素なので
 
前もって掲載できるスペースを想定してデザインしておかないととんでもない事になる可能性があります。
 
これなんぞはとても小さな物件ですが、とある有名建築家に商業ビルの設計を依頼せざるを得ず、
 
高額な設計料と引き換えにどうしようもなく使い勝手の悪い建物を建てさせられたオーナーを知っています。
 
商業施設を自分の作品と勘違いしてしまう建築家は意外と多く、
 
融通性に欠ける建物に悩みつつ有名料としてガマンさせられている建築主は少なくないのでは?
 
商いとは関係ない構造的に野心的な建物、斬新な外装で中身は柱が邪魔になってしまう建物、
 
立派な大空間のためどこか寒々しい内部、等々。
 
 
 
商業施設は生物(イキモノ、ナマモノ)でありなおかつ消費されるものと私は思っています。
 
 美術館に飾ってある壺ではなく、普段料理を盛って使う器のようなもの・・・かもと。