HAPPYの非日常茶飯事な日々

日々の川柳や和太鼓などについて語ってまいります。

太鼓:超一流

津村明男氏還暦公演
三宅島同志会は津村明男氏が代表を務め、三人の息子、和宏・秀紀・春快各氏の四人により運営されている。
三宅島に伝わる牛頭天王祭の太鼓を津村明男氏が舞台用につきつめたものである。
また、明男氏は世界的に太鼓を広める事に成功した鼓童(前身は鬼太鼓座)に三宅の原型を伝えた立役者でもある。
今回のステージはそんな三宅のある意味集大成の舞台であった。
 
パンフレットより-------------------------------------
 三宅島神着神輿太鼓」は、その名の通り、伊豆諸島のひとつである三宅島の太鼓です。今回の公演は、本物の太鼓の音を多くの人に聴いて頂こう、という想いから、還暦を迎えた津村明男を中心に、その息子たちと、同じく還暦の藤本吉利氏(鼓童)を加えて、190年続く伝統芸能である三宅太鼓の魅力を丁寧に表現いたします。 
 
出演:
三宅島芸能同志会
津村明男、津村和宏、津村秀紀、津村春快
ゲスト :鼓童
藤本吉利、見留知弘、今海一樹、辻勝、小田洋介、吉井盛悟、中込健太
 
■演目
プロローグ(三)
祭音(津村明男・藤本吉利)
三宅(鼓)
潮(三)
大太鼓(藤本吉利)
空(鼓)
族(鼓)
三宅島神着神輿太鼓(三)
MIYAKE(全員)
(三)・・・同志会 (鼓)・・・鼓童
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鼓童の三宅は舞台用により洗練され、左打ちや複雑なフレーズも追加されてはいるが、
すさまじい音圧、体力以上の打ち込みは和太鼓の魅力をあますところなく伝える。
 
また、鼓童の代名詞の曲とも言っていい「族」や藤本吉利氏の大太鼓ソロ打ち、
同志会と鼓童の全身全霊の舞台、これらには文句無く体と心が開放される快感に浸る事ができた。
太鼓仲間の感想も、鼓童はもっとストイックな印象があったけれど、
今日の演奏はとってもよかったと言ってましたし、皆なにやら興奮が冷めやらないように見受けられました。
 
同志会の演奏はどこか素朴で物凄くシンプルがゆえに、
不要なものをすべてそぎ落とした迫力がビンビン伝わってきます。
腰掛けているズボンのすそが太鼓の音に震えているのがわかるくらい。
教室の生徒さんも多数来ていたようですが、皆、師匠たちの一挙手一投足を見逃すまいと熱い視線を送っているのが感じられました。
かくいう私も頭に打ち姿のイメージを叩き込もうと全神経を集中していました。
惜しむらくは座席の位置により、太鼓の影で演奏が見えにくいところもありました。
サントリーホールのようにぐるりと回りから眺められるのがよいかも。
 
死角が生じにくい鼓童の舞台構成は巧みでした。
 
二階席、三階席もありましたが、研究用には舞台の全容が眺められる上階の席がいいと思うんですが、
見下ろすという事でどこか舞台との一体感が薄れるような気がします。
 
篠笛もありましたが、やはり目をかっきり見開いて「眼ぢから」の演奏をしていました。
目をつぶるときもあるのですが、基本は眼で音を伝えようとしているよう。
 
今回の舞台は男のみ。
太鼓演奏で女性が皆無というのはどちらかというと珍しいかも知れません。
 
和太鼓の演奏会でこんなに興奮したのは久しぶりかも知れません。
同志会、鼓童、いやあいい仕事してますね、超一流です、ほんと。
 
おかげさまで至福の時間を過ごす事ができました、ありがとう。