とあるトンカツやさんの店先で。
ショーウィンドウにはこだわりつづけて45年の表記が。
45年続いているというのはたいしたものですが
これは毎年書き換えているということになります。
このこだわる、ということば、今では素材にこだわる、とか
製法にこだわる、とかいい意味で使われます。
でも、元々は些細な事にこだわる、とか
失敗にこだわる、とかあまりいい意味では使われなかったことば。
同じようにことばの使われ方が変わって来たものにぜんぜんがあります。
本来、ぜんぜん・・・ない、と必ず否定形で使われていましたが
今ではそういう使い方でぜんぜんいい、という風に使われます。
こだわるということばの使われ方が変わったのは
1970年代の若者の雑誌が元凶という一説があるようです。
ベトナム戦争が終わり、若者の価値観が多様になったのを反映し
画一化ではなく個性尊重へとの風潮が。
そんな中で他人が重要視しないものに固執する、執着するというという意味が
自分なりの価値観を追求するという意味に転じていったようです。
ことばは生き物、世につれ変遷するものなので、絶対的な使われ方はないと思います。
こだわる、ということばも使い方にあまりこだわる必要はないのかも。