youtubeでチェックをしていますが、ネットの便利さを享受させてもらっています。
この曲を作った北原永氏率いる祭り工房はあちこちで太鼓の指導も引き受けていて
そのためもあって「荒波」はいろいろな団体の演奏がyoutubeにアップされています。
お陰でいろいろなタイプの教材には事欠きません。
その中でも高校生たちの演奏は若々しくとても力強いです。
八丈太鼓の無形民族文化財に指定されている唄も挿入されていますが、
この唄の歌詞は男女の情愛の機微を唄った哀愁あるもの、
にも拘らず、と~っても力強く歌われていたり(笑)。
八丈太鼓のほんばたきと呼ばれる節回しはどこかせつない響があり、
唄が終わってからしばらくするとしゃばたきという速いテンポに変わって行きます。
情が爆発するような、激しい太鼓は前半のしっとりした太鼓からは打って変わってスリリング。
「荒波」では縁打ちを機にそれも再現されていて八丈らしい太鼓になっています。
唯一、八丈太鼓と違っているのは曲として完成されていて、アドリブの要素がまったくない事。
この曲が八丈太鼓ではなく創作曲とすればそれはそれで成立します。
作曲者の北原氏も八丈とは一切言っていないところはさすがです。
高校生の太鼓を見ながら一点気が付いたこと、
それは横打ちの最大の特徴、体の軸を回転させていない子がいるという事。
手は回転して八丈らしい打ち方をしているのですが、腕だけで打っている。
八丈の特徴的な打ち方の一つにデンデン太鼓があります。
腰を軸にして体を水平回転させ、腕やバチを自然に振り回すという打ち方です。
その辺が見えて来ると、お、さすがやなあ、となると思います。
組太鼓は全員が揃った姿勢を見せるという目標がありますが、
個性を重んじる八丈太鼓、このへんの統一性をどうするか、ポイントになるかも知れません。