HAPPYの非日常茶飯事な日々

日々の川柳や和太鼓などについて語ってまいります。

太鼓:朝霞太鼓20周年コンサート

1月に行われた朝霞太鼓20周年コンサートにおじゃましました。

朝霞太鼓さんとはブログで交流をさせていただいてます。

金沢の地は訪れた事がないのと、太鼓の演奏みたさで深夜バスで往復、到着したのは朝6:00、

朝からやっているホテルの露天風呂につかった後、金沢城にちらと立寄りその足で会場がある津幡へ。

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プログラムは第一部と第二部の構成、幕があがるといきなり下帯姿の大太鼓一本打ちの初切。

ちょっぴり衝撃的な幕開けでしたが鍛え上げられた裸は美しいものです。

二番目は三宅。鼓童が演目に取入れたおかげで今や全国区の太鼓になった感があります。

鼓童の三宅は舞台用に構成されていてオリジナルを離れ独自のものになりつつあるようです。

三宅太鼓は三宅島の祭りで島を練り歩く神輿に付いて打たれる太鼓、神楽や木遣りがつきもの。

島の三宅太鼓は土着的な味わいが残るローカルな太鼓と言えるでしょう。

舞台用に構成された三宅はおのずと洗練され、祭りの太鼓の意味合いは薄れて行きます。

何がいいか悪いかは言えないと思いますがその太鼓の起源は知識として持っていても損はないかと。

というような考えが頭をよぎりながら演奏に見入っていました。

私が習った三宅島芸能同士会の津村さんは「太鼓の音を聞く人の体に入れて行く」とおっしゃいます。

確かに初めて三宅太鼓に接した時、その爆発的な衝撃波に音以上のものを感じました。

太鼓からこんな音が出るんだという驚き、衝撃と快感がありました。

これは自分なりの解釈ですが、三宅は音を追求する太鼓と思っています。

そのためフレーズは至極単純であってよいと。

鼓童の三宅は舞台用にけっこうオカズが増えたような気がしています。

いずれにしても三宅は音を出すべし・・・。



朝霞太鼓さんは元々町おこしで生まれた太鼓とのこと。

20年の間にいろいろあった事は想像できますが今は数多くのジュニアも活躍しています。


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春雷の演奏。

後で聞くといろいろあったようですが、これは個人的に一番評価したものでした。

音程の調整ができる桶胴太鼓を使い、5人の打ち手がユーモラスな動きを入れつつパフォーマンスを

繰り広げてくれました。

5人ともそれぞれ違うカラーTシャツで動きがよくわかります。

こういうちょっと毛色の変わった太鼓を挟むのはいい構成だと思います。

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若さあふれる太鼓はやっぱりいいもんです。

見ていて気持ちがいいです。

一点アドバイスさせていただいたのは衣装について。

衣装の構成がどちらかというとモノトーン、金とか使っているのですが全体の印象は地味。

その中で担ぎ桶の花柄の帯がとっても華やいだ雰囲気を醸し出していました。

ハレの舞台はどこかに華やかさがあると全体の質が変わるような気がしています。

どこかワンポイント、たとえば手甲とかに色気があると舞台が様変わりするように思います。

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さて、第二部はゲストの打族と大場潟乃太鼓の二団体の演奏がメインとなっています。

大場潟乃太鼓は朝霞太鼓さんがお世話になっている太鼓とか、確かに貫禄ある演奏はさすが。

拍子木を使う遺伝子などが受け継がれているのがわかります。

打族は小松市の太鼓、どこかで名前聞いた事あるなあと思っていたら陸前高田の太鼓祭りに

出演していたと。この太鼓祭りは日本太鼓協会も支援しているので名前を聞いたことがあったんですね。


久しぶりに太鼓の演奏を満喫させていただきました。

この後懇親会にも参加させていただきいろいろお話を聞く事ができました。

その時の太鼓の演奏は一期一会ということばが印象に残っています。


またこの時に加賀太鼓という虫送りの伝統太鼓がある事を知り、後日youtubeで見ましたが

これがまた八丈太鼓に通じる興味のつきない太鼓でした。

でもこの太鼓、東京で見てるなあ、どこで見たんだろ?


演奏の休憩時に隣り合わせた方がどちらから?と話しかけて来て、しばし話を。

演奏が終わり、私が金沢のホテルに泊まっている事を知ると車で送りましょうか、と。

いやあ、こういうのって最近の都会ではなかなかないし、北陸の人のあたたかさを実感。

こういう事を含めすばらしい演奏会に臨席できたこと、そして太鼓の縁に感謝。

追記:
全体が篠笛で構成されている曲、篠笛一本なので吹き手はすごいプレッシャーだと思います。

しかしその緊張感はこちらに伝わってこず、かなりの練習量に裏打ちされているのではないかと

感じられました。

笛は緊張すると口が渇いたり指が思うように動かなくなったりするものですが解消方法は吹き込んで

吹き込んで平常心で吹けるようになること、だと思ってます。

え~、その篠笛の音なんですがマイクを通すとどうも味気なくなる気がしています。

笛はたくさんの倍音を含むためそれらがマイクですべて拾いきれずに薄っぺらな音になってしまう

のか、その辺はよくわかりません。(実は太鼓も同じ・・・)


さて今回の篠笛、安心して音に身を委ねる事ができましたが、音がフルートのような印象を受けました。

フルートと篠笛?

これは私の偏見と独断ですが洋楽器のフルートはどちらかというと陽、それに比して篠笛は陰、

篠笛にはどこかかげりが感じられるという印象があります。

黎明・光が夜明けをイメージしているので陽で正解なんですが、欲を言えば音の陰影があると

もっと深いものになるような気がしました。

恐らく息の強弱や、時には音のかすれなんかもあえてつけちゃったり、そんな事をすると

陰影が生まれて来るのかも知れません。

太鼓の演奏に笛が入ると物語性が織り込まれ、印象に残りやすくなるように思います。
(逆に言うと太鼓オンリーで印象的な曲にしあげるのはタイヘンということ・・・?)