あるところに7匹の子ヤギとお母さんヤギがのんびり暮らしていました。
ある時、1番下の子ヤギが熱を出したのでお母さんヤギは森に薬草を探しに行くことにしました。
出かける時に子ヤギたちに言ってきかせました。
こわいオオカミが来ても決して家に入れてはいけませんよ。
オオカミの声はガラガラ声で、足は黒い毛むくじゃらだからね、気を付けて留守番するのよ。
そう言ってお母さんヤギは森に出かけて行きました。
出かけるお母さんヤギを見かけたオオカミはチャンスとばかり家の前に立って言いました。
ただいま、お母さんよ、鍵を開けてちょうだいな。
子ヤギたちはガラガラ声を聞いてオオカミと悟り、お母さんの声じゃないよ、とオオカミを追い返しました。
オオカミはおもちゃ屋に行き、窒素ガスを買って声を変えました。
再びヤギの家に行き、お母さんよ、森から帰ったの、扉を開けてちょうだい。とかん高い声で話しかけました。
ガラガラ声じゃないな、お母さんかな、と子ヤギの一人が扉を開けようとしましたが、兄さんヤギは、お母さん、足を見せて、と言いました。
ドレスの下にはオオカミの黒い足がのぞいています。
子ヤギたちは、オオカミは入れないよ、とまたまた追い返しました。
オオカミもあきらめません。
パン屋に行って、パン生地と小麦粉を買いました。
それを足に塗って白いスマートな足に見せかけて子ヤギの待つ家に向かいました。
お母さんよ、森から戻ったから扉を開けておくれ。
子ヤギたちはすっかり騙されて扉を開けてしまいました。
オオカミはおなかがすいていたので子ヤギたちを次々と丸のみにしていきます。
熱を出していた子ヤギをのみ込もうとしましたが、コイツは具合が悪そうだ、病気が移ってはかなわんわい、と一匹だけ残しました。
すっかりお腹を満たしたオオカミはあちこち駆け回ったため、ひどく疲れたので草の上で眠りに落ちました。
そこへお母さんヤギが薬草を手に家に戻ってみると、家の中はめちゃくちゃで子ヤギたちの姿が見当たりません。
お母さんヤギは子供たちの名前を呼びながら探します。
熱を出していた子ヤギが、ふらふらと出て来て、あったことをすべて話しました。
お母さんヤギは眠っているオオカミを見かけたことを思い出し、裁縫道具を小脇に抱えオオカミの元へ急ぎました。
オオカミはすっかり眠りこけていましたが、持っていた薬草をオオカミの鼻へすりこみました。
薬草の効果で、オオカミは麻酔をかけられた状態です。
お母さんヤギはオオカミのお腹をハサミで切り開いて子ヤギたちを次から次へと助け出しました。
丸のみにされたおかげで子ヤギたちは助かったわけです。
お母さんヤギは子ヤギたちに石を集めさせ、それをオオカミのおなかにしまってお腹を縫い合わせました。
傷口に薬草を塗ってから子ヤギたちを連れて家に戻りました。
オオカミは眠りから覚め、やれやれ、お腹が重いぞ、やけにのどもかわいた、と言いながら湖に水を飲みに行きました。
水を飲もうとした瞬間、バランスを崩して水に落ち、泳ぐ間もなくそのまま湖の底に沈んで死んでしまいました。
悪いオオカミがいなくなってヤギの村には平和が訪れました。
しばらくすると、ヤギたちはオオカミに襲われることなく、どんどんどんどん増えて、しまいには食べるものがなくなり、みんな餓死してしまいましたとさ。
とっぺんぱらりん。
グリム童話 オオカミと7匹のこやぎから盗作
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
自然界は絶妙なバランスの上に成り立っています。
オオカミは悪者として描かれますが、かれらも大自然のサイクルの中でつつましく生きております。
ま、人にとっていいか悪いかが、いいもの、悪いものを決めているようで、いい悪いは人によるものであろうことがわかります。
オオカミにとってはヤギも人も生活の糧でしかないものと思われます。