日本が憧れた洋風文化、明治時代は洋館建築が流行りました。
日本各地に洋風建築が残されています。
でもこの洋館、日本の気候風土に合っているかというとそうでもありません。
日本には四季があり、夏は湿度も高く暑くなります。
春秋はお日柄もよく、景色が美しい。
冬は厳しい寒さで雪が降る地域も。
日本家屋はこういう四季の移ろいに敏感に対応するつくりになっています。
日本は森林が多く木材が建築材料になり、柱と梁で構成される家屋は開口部が広くとれ、軒も深くできます。
太平洋側では深い軒は夏の熱い日差しを遮りますが、冬は暖かい日の光が屋内にまで入って来ます。
また深い軒は雨の日でも戸を開け放つ事が出来ます。
洋館は基本的に石造建築のため壁が多く、窓は縦長になります。
軒は設けにくく、開放的な作りは不得意です。
明治時代にカタチだけまねした木造の洋館はナンセンスと言えるでしょう。
ジメジメムシムシの日本の気候風土に洋風建築は不向きですが、空調システムが発達した昨今、昔ながらの和風建築にこだわる必要はなくなりました。
でも日本で育まれた自然と密接なつながりを持つ建築文化、sDGsの世に生かせないもんでしょうか。