特別展「富嶽三十六景への挑戦北斎と広重」に行って参りました。
地下鉄両国駅から博物館入り口まで雨ニモ持負ケズ夏ノ暑サニモ負ケヌようにテントの屋根がかかっており、これはなかなか親切設計であります。
雨や日差しから守りつつ、少々わかりずらい博物館の入り口まで自然に見事に導いてくれる仕掛け。
オープンは9:30~。新型コロナで入場は予約制、ちょっと早めに到着しましたが二人のお客さんが開くのを待っておりました。
体温測定、手指の消毒、受付を済ませいざ会場へ。
大きな浮世絵のゲートがかかり、江戸の北斎と広重の時代にタイムスリップするような粋な仕掛け、会場は海外の多くの美術館のように撮影OKとの事!
北斎の富嶽三十六景、世界的に有名な神奈川沖浪裏。ホンモノに触れるのは初めてです。波の動き、波と見まごう富士山。波の動きに呼応する船。波の谷に吸い込まれるようです。まるで動画を観ているよう、凄いなあ。
浮世絵だけではない展示からは北斎の絵に対する研究の一端がわかります。
北斎の動的なものを観察し、静止画として定着させるデッサン力!
飽くなき観察眼で一つの動きをいろいろ描きとめています。基本が大事と。
画狂老人と自称した北斎、一角には娘のお栄と作画に興じる北斎のジオラマが。
北斎は片付けをせず散らかると引っ越ししたそうで、その回数はなんと93回なんだそうな。
富嶽三十六景駿州江尻。静岡の清水あたりの富士と風を描いています。
目には見えない風の動きを見事に捉えた北斎の力量と創作力に脱帽。
脱帽した帽子も風に乗って空に飛ばされそうです。
その一つ、原。
版木ぎりぎりに富士山の頂きを描き、その峰は枠を突き破る憎い構図。
富士を描くことで北斎への畏敬の念と対抗心も併せ持っていたようです。
北斎を尋ねた事もあるそうですがその変人ぶりに辟易した?
東海道五十三次 庄野白雨。白雨は夕立の事。
夕立の雨風と人々の動きの一瞬を切り取ったあまりにも有名な浮世絵です。
この絵を観ながら、西洋にはこのように見事に雨を描いた画家はいるのだろうか、という思いに襲われました。調べてみるとゴッホやルノアールは雨の絵を描いておりますが、この広重の絵には遠く及ばないと思います。
雨風の音、人々のあわてる気持ちまでも伝わってくるような臨場感、すごい!
その他、広重、北斎のスバラシイ作品の数々に直接触れる事ができました。
子供の頃、歌川広重ではなく安藤広重と習った記憶がありますが、家名が安藤家との事で納得しました。やはり東京にいると新型コロナ禍でもこうした文化的恩恵に浴する事が出来、ありがたいです。
その後、博物館に併設されているレストランでなぜかエジプト料理をいただきました。
その名も赤富士コシャリ。
コシャリはエジプトの代表的庶民食とのこと。
初めていただきましたが揚げたタマネギがとても効いていて、トマトベースのソースがエキゾチック。富士山は米、マカロニ、スパゲティ、レンズマメ、ひよこ豆。
パプリカが富士山を赤く染めて。
コシャリの概要
エジプト料理 「コシャリ」 [エジプト] All About